早稲田まちづくりシンポジウム 2019

開催概要

アーバニズムの現在と未来 – 大きな都市ビジョンと小さなボトムアップのアクションをつなぐ技術と思想

アーバンデザインの手法として住民参加型の「まちづくり」が日本各地で行われるようになり、多くの経験が蓄積されている。その内容は多様で、ボトムアップによる合意形成の方法も市民参加本家アメリカをしのぐほど洗練されてきた。一方、これらのアドホックな「まちづくり」の運動を束ね、これらを大きな都市ビジョンと接続することで、都市に変化をもたらす可能性は十分に議論がされてきただろうか? もし、雲の様に広がる様々なアクションの統合体による都市ビジョンを描くことができるのであれば、旧来のアーバンデザインが描いてきた時計仕掛けのような都市のビジョンに変化をもたらすことができるのだろうか?
本シンポジウムでは、小さなアクションと大きな都市のビジョンを接続するための思想・アーバニズムとこれを支えるアーバンデザインの技術について、「ランドスケープ」「インクルージョン」「情報」3つの視点から議論を行い、今後のアーバンデザインが果たす役割を考えていきたい。

開催日時:2019年7月21日(日) 9:30 開場 10:00 開始 18:00 終了予定
会場  :早稲田大学国際会議場・井深大記念ホール(東京都新宿区西早稲田1-20-14)
主催  :早稲田まちづくりシンポジウム2019実行委員会
     (実行委員長 早稲田大学創造理工学部建築学科教授 矢口 哲也)
共催  :早稲田大学都市・地域研究所/早稲田都市計画フォーラム
参加費 :一般 ¥2,000 / 早稲田都市計画フォーラム会員 無料 / 学生 無料
お申込み:参加ご希望の方は以下の申込フォームにてお申し込み下さい。 →申込フォーム

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*シンポジウムは終了しましたが、シンポジウム資料集をご所望の方は、以下2点を下記宛先までご送付ください。
1.切手 500円分(資料集代として)
2.返信用封筒(角形2号)
 ・ご希望の資料集お届け先をご記入願います。
 ・郵送費「380円」分の切手貼り付けをお願いします。
送付先:
〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1 55号館N棟704B
早稲田大学創造理工学部建築学科 矢口哲也研究室 宛
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タイムテーブル
10:00-  開会挨拶+趣旨解説
         矢口 哲也(早稲田大学創造理工学部建築学科教授)

10:10-  基調講演
         槇 文彦(槇総合計画事務所代表)

11:00-12:30 セッション1「アーバニズム X ランドスケープ」

小さなアクションと大きな都市ビジョンの接続には、ランドスケープやエコロジーからアーバニズムに接近することが有効ではないだろうか? 例えば、縮小化・スポンジ化する都市内で発生する小さなスケールの空地や生産緑地を川や保全緑地などの大きなスケールのランドスケープに接続することで都市の骨格を作り変える事は可能だろうか? 都市の中の自然を再生、再発見することが都市のビジョンを描く最も身近な武器になる可能性について議論を行う。

     司会  菅野 圭祐 (金沢工業大学建築学部建築学科講師)
     登壇者 福岡 孝則 (東京農業大学地域環境科学部造園学科准教授)
         岩瀬 諒子 (岩瀬諒子設計事務所)
         佐藤 美千代(せせらぎ農園、まちの生ごみ活かし隊代表)
  < 休憩 >
13:30-15:00 セッション2「アーバニズム X インクルージョン」

混ざりあう事。ジェーンジェイコブスも多様性が都市の魅力と論じているが、多様な主体が持続的に参加可能な都市をつくるためにはどのような仕組みが必要なのか?ジェントリフィケーションや所得格差、移民の問題、マイノリティーや障害者の社会参加促進等の社会問題に対してこれからの都市  環境はどのように対応していくのだろうか?
すべての人に居場所が存在する魅力的な都市を作るために、今行われているアクションやシステム作りが、都市空間をどのように変えているのか(もしくは変えていないのか)を振り返り、今後必要な具体的なアクションと都市ビジョンを議論する。

     司会  矢口 哲也 (早稲田大学創造理工学部建築学科教授)
     登壇者 土肥 真人 (東京工業大学環境・社会理工学院准教授)
         須藤 シンジ(NPO法人ピープルデザイン研究所代表理事)
         岡田 昭人 (住まい・まちづくりデザインワークス一級建築士事務所)

15:10-16:40 セッション3「アーバニズム X 情報」

都市のビジョンをデータに基づいて作ること、これを可視化し合意・意思決定を行う事はこれからのアーバンデザイナーにとって必須の技能になる事には異論はないだろう。大きな都市スケールでも、比較的小さなまちづくりのスケールでも、データを用いた都市ビジョンを掲げることは、多くの人で目標を共有することを容易にし、そしてまちづくりにかかわる多様な主体が目的地に向けてアクションを起こすための航海図の役割を果たす。
本セッションでは、現在どこまでデータを使った都市の可視化が可能になっているのか、そしてデータにも基づく都市ビジョンを共有する手法とその課題についてプロジェクトベースで議論を行う。

     司会  國廣 純子 (青梅市・五日市タウンマネージャー)
     登壇者 山村 真司 (日建設計総合研究所上席研究員)
         市川 創太 (ダブルネガティヴスアーキテクチャー主催)
         新井 崇俊 (東京大学生産技術研究所助教)
         武谷 由紀 (トヨタ自動車(株) 未来プロジェクト室)

16:50-17:50 統括セッション
        質疑応答・統括と展望
          

18:00-20:00 懇親会

登壇者の紹介

槇 文彦(まき ふみひこ)

建築家。槇総合計画事務所代表。
1928年東京生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。ハーヴァード大学大学院デザイン学部修士課程修了。その後ワシントン大学、ハーヴァード大学、東京大学で教壇に立つ。主な建築に、「ヒルサイドテラス」「スパイラル」「幕張メッセ」「風の丘斎場」「4WTC」など。日本建築学会賞、高松宮殿下記念文化省、プリツカー賞、AIAゴールドメダル他受賞多数。著書に「見え隠れする都市」(共著)「記憶の継承」「漂うモダニズム」「残像のモダニズム」など。

菅野 圭祐(すがの けいすけ)

金沢工業大学建築学部建築学科講師。
早稲田大学建築学科卒。同大学大学院修士課程(建築学)修了、同博士課程修了。早稲田大学理工学術院建築学科助手、デルフト工科大学客員研究員、同大学建築学部アーバニズム学科研究員を経て、2019年より現職。著書に、「新版図説城下町都市」、「まちづくり図解」、「まちづくり教書」(いずれも分担執筆)。

福岡 孝則(ふくおか たかのり)

東京農業大学 地域環境科学部 造園科学科 准教授 / Fd Landscape主宰。
1974年神奈川県生まれ。ペンシルバニア大学芸術系大学院ランドスケープ専攻修了後、米国・ドイツのコンサルタントのPMとして中東・アジアやオーストラリアのランドスケープ、都市デザインプロジェクトを担当。神戸大学持続的住環境創成講座 特命准教授を経て、2017年4月より現職。神奈川県都市計画審議会委員、横浜市旧上瀬谷通信施設における国際園芸博覧会招致検討委員会委員、世田谷区豪雨対策行動計画の有識者検討会委員、神戸市東遊園地再整備検討委員会ほかを担当。作品にコートヤードHIROO〈グッドデザイン賞〉ほか、著書に「Livable City(住みやすい都市)をつくる」、「海外で建築を仕事にする2-都市・ランドスケープ編」など。グリーンインフラやパブリックスペースに関する論考多数。

佐藤 美千代(さとう みちよ)

コミュニティガーデンせせらぎ農園主宰 / まちの生ごみ活かし隊代表 / 農のある暮らしづくり協議会代表 / 日野市ごみ減量審議会委員。
長崎県佐世保市生まれ。島根大学農学部卒業後、環境関連会社などに就職。「シンク・グローバル、アクト・ローカリー」(地球規模で考え、地域に根ざして行動する)に共感し、退職後、カンボジアの復興支援、自然観察指導員、都市農業研究会などのボランティア活動に取り組む。1998年より日野市に定住。2001~2010年、日野市第4次基本構想・基本計画「日野いいプラン2010」市民行動プロジェクト「公園探検隊」に参画。2004年、地域住民による「まちの生ごみ活かし隊」の活動をはじめる。2008年、「コミュニティガーデンせせらぎ農園」を開設し、約200世帯の生ごみを活用して野菜と花を育てている。2009年、「市民による都市農業研究会」設立。2018年、日野市まちづくり条例に基づく「農のある暮らしづくり協議会」を立ち上げ、都市計画の視点で農園と公園が融合化したコミュニティガーデンの普及を検討中。

岩瀬 諒子(いわせ りょうこ)

建築家。
1984年新潟県生まれ。京都大学大学院工学研究科修了。EM2N Architects (スイス)、隈研吾建築都市設計事務所を経て、2013年、大阪府主催実施コンペ「木津川遊歩空間アイディアデザインコンペ」における最優秀賞受賞を機に岩瀬諒子設計事務所を設立。建築空間からパブリックスペースまで、領域にとらわれない設計活動を行う。主な受賞に、日本造園学会賞、グッドデザイン金賞、藝大美術エメラルド賞など。慶應義塾大学理工学部助手、東京藝術大学美術学部建築科教育研究助手を経て、現在京都大学、神戸大学、東北大学、法政大学、芝浦工業大学非常勤講師。

矢口 哲也(やぐち てつや)

早稲田大学 創造理工学部 建築学科 教授。
1971年神奈川県生まれ。建設会社勤務を経て、カリフォルニア大学バークレー校環境デザイン学部アーバンデザイン専攻修了。サンフランシスコのランドスケープ事務所EDAW(現AECOM)のアソシエイトプリンシパルとして、北米、南米、中東、アジアの都市デザイン・リージョナルプランのプロジェクトを担当。2016年より現職。アメリカ建築家協会会員、カリフォルニア州公認建築家。

土肥 真人(どひ まさと)

エコロジカル・デモクラシー財団代表理事。東京工業大学環境・社会理工学院准教授。博士(農学,京都大学)。
1993-94年、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員を務め、ランディー・へスター氏にコミュニティー・デザインを学ぶ。「エコロジカル・デモクラシー:まちづくりと生態的多様性をつなぐデザイン」(鹿島出版会, ランドルフ・T・へスター(著), 土肥真人(訳), 2018)、「まちづくりの方法と技術-コミュニティー・デザイン・プライマー」(現代企画室, ランドルフ・T・へスター, 土肥真人(共著), 1997)など。2016年、「一般財団法人エコロジカル・デモクラシー財団」を仲間と共に設立。

須藤 シンジ(すどう しんじ)

有限会社ネクスタイドエボリューション 代表取締役社長 / NPO法人ピープルデザイン研究所 代表理事 /デルフト工科大学 Design United リサーチフェロー。
“心のバリアフリー”をクリエイティブに実現する思想や方法として、「ピープルデザイン」という概念を提唱。様々なマイノリティーが当たり前に混ざり合う、ダイバーシティな社会の実現を目指す。モノづくり、コトづくり、障害者のシゴトづくりを出発点に、渋谷区や川崎市などの行政と協働したマチづくりを推進している。近年は、国内外の教育機関と連携したヒトづくりに関する諸施策を加速させている。2016年下期より、オランダのTU Delft/デルフト工科大学/Design United/リサーチフェローに就任。著書に「意識をデザインする仕事」(CCCメディアハウス/旧 阪急コミュニケーションズ)がある。

岡田 昭人(おかだ あきと)

合同会社住まい・まちづくりデザインワークス共同代表、早稲田大学都市・地域研究所招聘研究員。
1957年名古屋生まれ。埼玉県上尾市や墨田区向島などの木造住宅密集地の整備計画や共同建替え事業を通して主体形成支援に関わってきた。近年は居住福祉の視点から居住支援法人等に関わり、地域の連携による居場所づくりに取り組んでいる。東京藝術大学大学院後期博士課程環境設計研究室を経て現職。技術士(都市及び地方計画)。共著に「まちづくり市民事業」(学芸出版社、2011)、「住み続けるための新まちづくり手法」(鹿島出版会、1995)、「東日本大震災からの復興まちづくり」(大月書店、2011)、「学校が消えるー公共施設の縮小に立ち向かう」(旬報社、2018)他。

國廣 純子(くにひろ じゅんこ)

hclab.コアメンバー。青梅市・あきる野市五日市タウンマネージャー。
慶応義塾大学経済学部卒業後、日本銀行調査統計局に勤務、マクロ経済統計の調査・改定に従事。東京理科大学工学部二部建築学科を経て、三分一博志建築設計事務所にて犬島アートプロジェクト等担当。2010年に拠点を北京へ移し、中国ローカルの都市計画・建築設計事務所にて国際プロジェクト責任者として日中設計チームの編成やプロジェクト統括を担当。内蒙古自治区阿鎮都市再生計画、西安市阿房宮考古遺跡公園整備及周辺都市計画など。帰国後、2013年より青梅市、2018年よりあきる野市で現職。

山村 真司(やまむら しんじ)

東京大学大学院建築学専攻修了後、日建設計に入社、設備設計に従事。さいたまスーパーアリーナ、東京ミッドタウン、青山学院相模原キャンパス等を担当。2006年、日建設計総合研究所に移籍。柏の葉スマートシティ、天津、杭州、東南アジア各国、ロシアなど国内外での建築・都市のサステイナブル化、スマートシティに関するコンサルに従事。理事上席研究員。SB08国土交通大臣賞受賞、グッドデザイン賞など受賞。著書:「スマートシティはどうつくる(工作舎)」ほか。博士(工学)、技術士(衛生工学部門)、中小企業診断士。SHASE技術フェロー。

市川 創太(いちかわ そうた)

hclab.コアメンバー。ダブルネガティヴスアーキテクチャー主宰。
東京芸術大学大学院修士課程修了。Knowbotic Research + Canon ARTLAB 都市プロジェクトIO_DENCIESリサーチ協働、荒川修作+マドリンギンズ ひなやプロジェクト実施設計業務などを経る。主なプロジェクトに、スーパーアイ/コーポラ(NTTインターコミュニケーションセンターなど)、コーポラ・イン・サイト(2008年ベネチア国際建築ビエンナーレハンガリー代表など)、ケペッシュミュージアムエントランス(ハンガリー エゲル)、なご原の家、レクサス・ミラノデザインウィーク2018など。主な著書に、《現代建築家コンセプト・シリーズ9 ダブルネガティヴス アーキテクチャー 塵の眼、塵の建築》(INAX出版)。

新井 崇俊(あらい たかとし)

1982年生まれ。東京大学生産技術研究所助教、hclab.コアメンバー。2007年京都大学工学部建築学科卒業、2013年東京大学大学院工学系研究科修了。都市研究室hclab. コアメンバーによる共著=『時間のヒダ、空間のシワ…[時間地図]の試み:杉浦康平のダイアグラム・コレクション』(鹿島出版会、2014)ほか。

武谷 由紀(たけたに ゆき)

慶応義塾大学 環境情報学部、米国コロンビア大学 公共政策大学院卒。
国内シンクタンクにて地域開発案件等を担当。その後、政府系金融機関等を経て、2015年より、一般財団法人 トヨタ・モビリティ基金にて、豊かなモビリティ社会の実現とモビリティ格差の解消への貢献を目的に、モビリティ・インキュベーション事業や、欧州・米国におけるプロジェクト形成・実施に関与。2019年4月より、(株)トヨタ自動車 未来プロジェクト室にて勤務。

 

早稲田大学 早稲田キャンパス 国際会議場

map2018.jpg 申し込み:参加ご希望の方は以下の申込フォームにてお申し込み下さい

→申込フォーム

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*シンポジウムは終了しましたが、シンポジウム資料集をご所望の方は、以下2点を下記宛先までご送付ください。
1.切手 500円分(資料集代として)
2.返信用封筒(角形2号)
 ・ご希望の資料集お届け先をご記入願います。
 ・郵送費「380円」分の切手貼り付けをお願いします。
送付先:
〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1 55号館N棟704B
早稲田大学創造理工学部建築学科 矢口哲也研究室 宛
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FAX での申し込みは、氏名・連絡先・区分(一般/ 学生/ フェロー)を記載の上
03-3208-7288(担当:早稲田都市計画フォーラム事務局 森田)までお送り下さい。

後援(申請中含む):
一般社団法人 日本建築学会/公益社団法人 日本都市計画学会/特定非営利活動法人 日本都市計画家協会/公益財団法人 都市計画協会/一般社団法人 東京都建築士事務所協会/公益社団法人 日本建築家協会/日本都市学会/公益社団法人 土木学会/土木学会計画・デザイン委員会/公益社団法人 日本造園学会/一般社団法人 東京建築士会/自治体学会/公益社団法人 日本建築士会連合会/公益財団法人 都市づくりパブリックデザインセンター/一般財団法人 都市みらい推進機構/一般社団法人 再開発コーディネーター協会/早稲田大学芸術学校/エンジニアアーキテクト協会/GSデザイン会議/一般社団法人 ランドスケープアーキテクト連盟/稲門建築会/公益財団法人 日本都市センター

□お問い合わせ
早稲田まちづくりシンポジウム2019実行委員会(担当:森田)
Mail: waseda.toshiforum@gmail.com
電話:03-5286-3289